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薬局 | 06.11.20 | minute(s) reading time
「今ヘルスケアの分野でこうして受け入れられているのは、私が薬剤師であるからこそだと思います。」

ケース・ファン・デル・グラーフ(Kees van der Graaf)氏は、SPITS OosterwoldeにおけるR&Dディレクターを2020年6月1日まで務めました。社員250名を率い、オランダの200を超える薬局と医療施設に対する薬包供給の責任を担っていました。 また、アッペルスカとオーステルウォルデにある薬局の共同所有者でもあり、オーステルウォルデとその周辺地域の住民に日常的なケアを提供する15の保健機関が入所するヘルスケアセンターを設立しました。 ZiuZ Visual Intelligenceの創設者兼所有者であるゲリット・バールダ(Gerrit Baarda)が世界最大の包装施設の共同所有者兼共同創設者であるケース氏と対談し、その動機について、またZiuZとSPITS Oosterwoldeとの協力関係がどのように生まれたのかを紹介します。

 

 

G 「ケースさん、本日はわざわざお越しいただきありがとうございます 私たちがどのようにパートナー関係になったかについて振り返りたいと思いますが、まず 薬局の取引と企業を率いることを通してどのようなことを学びましたか?」

 

K: 「何事においても基礎が大事だということですね。 私は精密科学を学びましたので、もともと薬剤師です。 その発端は純粋な探求心ではないでしょうか。 誰かを幸せにし、排尿を改善し、眠りの質を向上させ、感染症をなくすこの白い粉は何なのだろうと。 見た目はどれも同じ白い粉なのですから。 とても面白いなと思ったわけです。 その後起業家に転身したのですが、『誰よりも大きくなってトップを目指すぞ』とはまったく考えませんでした。ただ、何か良いことをしたかったのです。そのために学校にも通い、人間科学と行動科学を学びました。 その結果、精密科学よりも多くのことを学べたと思います。 しかし、学生時代に薬理学を学ばずに経営学を専攻していたとしたら、このような機会をつかめなかったでしょうね。 今ヘルスケアの分野でこうして受け入れられているのは、私が薬剤師であるからこそだと思います。」

 

G 2002年にハーゲ・フェルドゥイン(Hage Verduyn)氏とともにSPITS Oosterwoldeを設立されましたが、 それはなぜでしょうか。」

 

K: 「SPITS Oosterwoldeを設立したときには、より本格的かつ大規模で行える方法はないかと考えていました。 オーステルウォルデの薬局では、Farmatrayが大成功を収めました。 錠剤をコンパートメントに入れるというコンセプトです。 それでFarmatrayを大量生産したのですが、やはり大量生産する際には同時に大量のミスも犯します。 あまりにもそのミスが多く、自らの首を絞める羽目になったのです。 プロセスの自動化が必須でした。 私たちは薬剤師です。薬のリスクを熟知しており、作り方もわかります。 そこで、アッペルスカの薬局で自社製の薬包を製造することにしました。 自社薬局はもちろん、つながりのある他の薬局にも提供しました。このサービスをケアの第一線に保ちたかったからです。 そうしなかったら大企業に渡ってしまい、私たちがそのサービスを提供できる機会が失われたことでしょう。 それが自分たちの手に負えなくなるほど売れました。 そこで、包装機3台ほどを設置できると思われる広いスペースを作りました。 1台目の包装機が稼働しはじめてから1年も経たずに2代目を導入したのですが、それでスペースが尽きてしまったのです。 もうそれで何も入らなくなったので、 オーステルウォルデに本格的なSPITS工場の建設を開始しました。」

「私たちは薬剤師です。薬のリスクを熟知しており、作り方もわかります。」

G 「その後まもなくSPITSZiuZの間でプロジェクトベースのコラボレーションがスタートしました。 私は当社のソリューションに自信を持っていましたので、 失敗すると思ったことはありません。」

 

K: 「私も失敗するとはまったく思ったことはありません。 検査機は世界で最高のものであることについて疑いの余地はありませんでした。 オーステルウォルデに立派な工場を建て、包装ロボットが薬包ロールを作っています。 当初、薬包はすべて手作業でチェックしており、それ自体は集中力を要する大変重要な工程なのですが、 長期的に継続できることではないと感じました。特に今後規模を拡大していくとなると、適切かつ専門的に行えるような体制が必須となります。 品質に妥協することだけは絶対にしたくありませんでした。」

「そのとき、あなたとバレーボールでご一緒したトゥワン(SPITS Oosterwoldeの薬剤師)から、あなたの会社が警察の画像解析を手掛けているということを聞いたのです。 そこで、薬の画像解析もできないかという話が持ち上がり、あなたに伺ったところ、不可能とはおっしゃいませんでしたね。」

「私は製薬機器分析の学位を持っています。ZiuZの技術とも多くの接点がある分野だと思いました。私はまた、アマチュアの写真家でもあります。 あなたがZiuZで行われていた画像解析の仕事の中に、写真への愛情のようなものを感じたのです。 私たちは、カメラと暗室について徹底的な検討を行いました。 再現性の高い良質な画像を得られるような光の質を求めたからです。 これは、薬理学における微生物学で学ぶことと同じコンセプトです。 無菌状態の製品を作るためには、 最初から汚染されていない環境で作業することが必要。つまり、画像の場合でも最初から干渉要因を最小限に抑えておくことが重要であるというわけです。 これにより、エラー検出精度が向上します。」

「検査機は世界で最高のものであることについて疑いの余地はありませんでした。」

G 「オランダの薬剤師の未来についてどのようにお考えですか?」

 

K: 「私の駆け出し時代と今との違いで言えば、かつて薬局は経済的に安定していて独立していたことでしょう。 今は卒業すると医療提供者を志していても結局は大きな組織の一員となります。 そしてそのような組織は、薬学ケアにそれほど重きを置いていないのが正直なところではないでしょうか。 オランダでは、大手企業に吸収されてしまい、独立した薬局は多くありません。 今はヘルスケアに関して政府は手に負えない状態になっているため、健康保険会社が扱っています。 コロナ禍においてそれは歓迎すべきことなのでしょうが、終息後には忘れ去られるでしょう。 薬局は注目を浴びて満足しているのかもしれませんが、この間に薬局というものの存在意義が失われていることを十分理解していないようにも思います。 実際、今薬剤師によって行われるタスクはどんどん減っています。 もはや薬を準備してチェックするということさえもしないのです。 オストミー製品や糖尿病検査薬も提供していません。 健康保険会社の管轄であるならば、薬局は創傷被覆材や失禁用品などを完全に扱わなくなるでしょう。 健康な人達が会議で行う議論のすべてが行きつくところは 効率重視。ヘルスケアは単なる物流にまでそぎ落とされているようです。 それが実際は売上高の25%の減少につながっているのです。 その結果、独立した薬局が現代のヘルスケアニーズに対応し、それを予測するという能力がますます制限されていっています。 今対処しなければ、将来的に薬局の分配機能はますます衰えていくことになるでしょう。 アジア製の薬の品質が標準以下であることが明らかになりつつある今、それほど遠くない将来に薬局のケアは消えていってしまうのではないでしょうか。」

「薬剤師はケアの提供を望んでいますが、その存在意義を失わないように懸命に働かないといけません」

G 「ケースさん個人としては将来に対してどのような計画をお持ちですか?」

 

K: 「医薬品の研究とトレーニングのためにWolk Academyを設立する予定です。 また、人工知能による処方箋のチェックを実現させるために他の企業と協力しています。 リスクのない処方箋を除外することで、薬剤師が要注意の処方箋に集中して確認できるようになります。 なによりも、会社と孫にとってよきおじいちゃん的な存在でありたいと思います。 そんな将来像を描いています。」

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ケース・ファン・デル・グラーフ(Kees van der Graaf):Oosterwolde Healthcare CentreとSPITS Oosterwoldeの薬剤師兼共同創設者。SPITSは、ZiuZも受賞歴のあるFrisian Business Awardの2018年にファイナリストに選出。

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